50代男性 変形性股関節症による歩行時痛・動作時痛改善症例(配送業による長時間運転姿勢・荷物の積み下ろし・反復負荷、股関節周囲筋緊張、骨盤前傾)

主訴

2024年8月頃に来院されました。
8か月前より左股関節から鼠径部にかけて痛みを自覚しているとのこと。特に車の乗り降りや歩き始め、階段昇降時に痛みが強く出現していたそうです。配送業務中の荷物の積み下ろしや長時間の運転後に症状が悪化し、夕方には股関節周囲の重だるさと歩行時の違和感が強くなる状態でした。

配送業に従事されており、長時間の運転姿勢に加え荷物の積み下ろしや台車移動など身体負担の大きい業務が多い環境で勤務していた状況。以前より股関節周囲の違和感はあったものの休めば改善していたため様子を見ていたとのこと。徐々に痛みの頻度が増加し、最近では仕事中だけでなく日常生活でも違和感が持続するようになっていました。

整形外科を受診し画像検査にて変形性股関節症と診断、保存療法を継続しながら疼痛軽減と動作改善を目的にご来院されました。

症状が改善したらしたい事:

  • 車の乗り降りを楽にしたい
  • 長時間運転後の痛みを減らしたい
  • 荷物の積み下ろしを支障なく行いたい
  • 趣味のウォーキングを再開したい
変形性股関節症

初回施術

施術の写真

左股関節前面〜鼠径部の圧痛、股関節屈曲・内旋可動域低下、中殿筋・大臀筋・腸腰筋の筋緊張、骨盤前傾傾向、左立脚時の疼痛増強、歩幅の減少を確認しましたので、

  1. 股関節周囲筋の手技療法
  2. 股関節周囲筋への手技療法
  3. 臀部・股関節周囲への鍼灸施術
  4. 骨盤・股関節可動域改善アプローチ
  5. 荷重負担軽減指導
  6. 運転姿勢指導

を行いました。
施術後、股関節周囲の張り感が軽減し、歩行時の違和感がやや改善したとのことでした。

2回目の施術(4日後)

歩き始めの痛みは残存するものの、運転後の重だるさは軽減傾向でしたので、

  1. 股関節周囲筋緊張緩和手技療法
  2. 鍼灸施術(局所:臀部・鼠径部周囲・大腿外側への刺鍼、遠隔:疼痛緩和・循環改善を目的とした経穴への施術)
  3. 股関節可動域改善

を行いました。

また、股関節ストレッチ、臀筋エクササイズ、長時間運転中の休憩方法についてご指導しました。

3回目の施術(2週間後)

車の乗り降り動作が以前よりスムーズになり、歩行時痛も改善傾向でしたので、

  1. 股関節・臀部手技療法
  2. 鍼灸施術
  3. 電気鍼による深部筋アプローチ
  4. 骨盤安定化エクササイズ

を行いました。

また、中殿筋トレーニング、体幹安定化訓練、業務前後のストレッチについてご指導しました。

1か月後

運転後の股関節痛が軽減し、仕事中の負担感が減少したとのことでしたので、

  1. 股関節柔軟性改善の継続
  2. 臀筋強化の継続
  3. 疲労管理

についてご指導しました。

2か月後

長時間運転後の痛みが大幅に軽減したとのことでしたので、

  1. 骨盤安定化トレーニング
  2. 歩行フォームの改善
  3. セルフケアの継続

についてご指導しました。

3か月後

業務および日常生活での支障はほぼ消失し、趣味のウォーキングも再開されました。
安定した状態が続いており、仕事も以前と変わらずこなせるようになっています。
股関節ストレッチの継続、適度な運動習慣、長時間同姿勢の回避を維持されています。

考察

施術の写真

この症例では、長時間座位姿勢と荷物の積み下ろし動作による股関節への反復負荷が蓄積し、股関節周囲筋の柔軟性低下や可動域制限を伴って変形性股関節症症状が増悪したと考えられます。

股関節周囲筋の筋緊張緩和、関節可動域改善、骨盤安定化を目的とした施術と生活指導を継続したことで、疼痛軽減と機能改善が得られました。鍼灸施術は筋緊張緩和と局所循環改善に寄与し、運動療法と併用することで再発予防にもつながりました。

なお、本症例は進行度評価が重要なため、整形外科との併用管理のもとで施術を実施しました。

ポイント

変形性股関節症では車の乗り降りや歩き始めの痛みが多くみられ、長時間の座位姿勢や重量物作業が症状の増悪要因となります。
股関節周囲筋の柔軟性低下は症状悪化につながるため、早期からのケアが重要です。
鍼灸と運動療法の併用は筋緊張緩和と機能改善に有効であり、セルフケアの継続が再発予防の鍵となります。

こころ接骨鍼灸マッサージ院 沓谷本院