30代女性 頚椎ヘルニアの改善症例(デスクワークなどでの不良姿勢、長時間の同じ姿勢)

主訴

2021年5月に、「2週間前から右肩から腕にかけて痛みと痺れがある」とご来院されました。
特に首を後ろや右に傾けると症状が強くなり、手指の細かい作業がしづらく、握力も落ちたように感じるとのこと。
現在はデスクワークが中心で、長時間同じ姿勢で作業することが多いそうです。最近、仕事が忙しく残業が増えていました。

既往歴:
ストレートネックと診断されたことがあるとのことでした。

症状が改善したらしたい事:

  1. 肩から腕の痛み・痺れをなくし仕事に集中したい
  2. 手指の細かい作業をスムーズに行いたい
  3. 首の動きを良くし、日常生活の不快感をなくしたい
  4. 再発予防のための姿勢やストレッチを知りたい
右肩から腕にかけて

初回施術(発症から2週間)

施術の写真

右の首から肩、腕にかけて押した痛みと関連する痛み(放散痛)を確認。
首を後ろや右に動かすと症状が悪化しました。
神経症状を示唆する所見も一部見られ、首の動きも制限されていました。

  1. 安静の重要性を説明
  2. 必要に応じ頚椎カラーによる安静固定の提案
  3. デスクワーク時の姿勢指導、休憩の重要性を説明
  4. 首、肩周りの筋肉の緊張を緩和する優しい手技療法

を行いました。

施術後、首や肩の緊張が少し和らいだように感じるとのことでした。

2回目の施術(2日後)

痛みや痺れはまだあるものの、少し軽減してきたとのことでしたので、

  1. 頚椎カラーの使用状況などを確認
  2. 首、肩、背中の筋肉の緊張を緩める穏やかな手技療法
  3. 鍼灸施術(局所・遠隔のツボを使用。鎮痛、筋弛緩、神経症状緩和目的)
  4. 自宅でできる簡単なストレッチと温熱療法(蒸しタオルなど)の指導

を行いました。

3回目の施術(4日後)

痛みや痺れがさらに軽減し、手指の痺れを感じる頻度が減ってきたとのことでしたので、

  1. 首、肩、背中の筋肉の緊張を緩める穏やかな手技療法
  2. 鍼灸施術(前回同様の方針で実施)
  3. 首の可動域を広げる軽い運動療法の指導
  4. 正しい座り方やPCモニターの高さなど、作業環境の見直し提案

を行いました。

1週間後

日常生活での痛みが軽減し、作業中の痺れも減ってきたとのことでしたので、

  1. 首、肩、背中への手技療法に加え、肩甲骨周りの動きを改善する手技療法
  2. 鍼灸施術(症状に合わせ実施)
  3. 首、肩周りの軽い筋力トレーニングの指導
  4. ストレッチ、運動療法の継続指導

を行いました。

2週間後

肩から腕の痛み・痺れはかなり軽減し、手指の作業もスムーズに。首の動きも改善してきました。

  1. 首、肩、背中への手技療法に加え、全身のバランス調整
  2. 鍼灸施術(症状に合わせ実施)
  3. デスクワーク中の正しい姿勢、こまめな休憩とストレッチの重要性を再確認

を行いました。

1ヶ月後

肩から腕の痛み・痺れはほとんどなくなり、日常生活、仕事ともに支障ない状態に。
首の動きもほぼ正常になりました。

  1. 再発予防のための姿勢指導、ストレッチ、軽い筋力トレーニングの継続指導
  2. 定期的なセルフチェックの推奨

を行いました。

考察

施術の写真

本症例は、長時間のデスクワークによる不良姿勢と頸椎への負担が主な原因となり、頚椎ヘルニアを発症したと考えられます。
ストレートネックの既往も影響した可能性が高いです。

初期の安静と姿勢指導、早期からの鍼灸・手技による施術、段階的な運動療法により、比較的早期に症状が改善しました。
施術では、首・肩周りの緊張緩和に加え、肩甲骨の動きや全身バランスも考慮しています。

姿勢指導、作業環境の見直し、セルフケア(ストレッチ、筋トレ)の実践が、症状改善と再発予防に重要な役割を果たしました。

ポイント

頚椎ヘルニアは、デスクワークなどでの不良姿勢や長時間同じ姿勢が大きな要因となります。
初期は安静にし、姿勢を改善することが重要です。

鍼灸施術は、痛み・痺れ・筋肉の緊張緩和に役立ち、手技療法は、首・肩・背中の筋肉を緩め、関節の動きを改善する作用が期待できます。

また、段階的な運動療法(ストレッチ、筋トレ)は、可動域改善と再発予防に不可欠。
デスクワーク中の姿勢、作業環境の見直し、こまめな休憩も非常に重要です。

首の痛みや手の痺れでお困りの方は、自己判断せず、早期に専門機関(整骨院、鍼灸院など)で適切な診断と施術、生活指導を受けるようにしましょう。

こころ接骨鍼灸マッサージ院 沓谷本院