主訴
2025年4月に、「産後2ヶ月頃から右手の親指と手首が痛む」とご来院されました。
特に授乳時の抱っこやおむつ替え、沐浴などで赤ちゃんを支える時、哺乳瓶を持つ時などに痛みが強くなるとのこと。朝や育児の後にはこわばりを感じ、最近は親指を動かすと「ピキッ」という音(軋轢音)がすることもあるとお悩みでした。
育児による手首への負担を感じておられました。
症状が改善したらしたい事:
- スムーズに育児を行いたい(抱っこ、授乳、おむつ替えなど)
- 痛みやこわばりのない日常生活を送りたい

初回施術

右手の親指、手首、前腕の筋肉に強い緊張と押した痛み(圧痛)、動きの制限を確認しました。
- 安静の重要性を説明
- 炎症を抑えるためのアイシング指導
- サポーターによる手首の固定指導
- 負担軽減のための抱っこや授乳姿勢の提案
- 周囲の筋肉の緊張を緩和する優しい手技療法
を行いました。
施術後、痛みがわずかに軽減したように感じるとのことでした。
2回目の施術(1日後)
痛みはまだあるものの、こわばりは少し軽減してきたとのことでしたので、
- 右手の親指、手首、前腕の筋肉の緊張を緩和する穏やかな手技療法
- 鍼灸施術(鎮痛、血行促進、炎症抑制目的)
- 自宅でできる簡単なストレッチと温熱療法(温湿布など)の指導
- 育児動作(抱っこ、授乳姿勢、おむつ替えの工夫など)の見直し
を行いました。
3回目の施術(2日後)
育児中の痛みが少し軽減。軋轢音はまだ時々感じるとのことでしたので、
- 右手の親指、手首、前腕の筋肉の緊張を緩和する穏やかな手技療法
- 鍼灸施術(鎮痛、血行促進、炎症抑制目的)
- 手首や指の可動域を広げる軽い運動療法指導
- 育児の合間の適切な休憩の取り方、家族のサポートの重要性について説明
を行いました。
1ヶ月後
日常生活での痛みは軽減し、以前より楽に育児ができるように。
ただ、長時間の抱っこや授乳ではまだ痛みが出るとのことでしたので、
- 手首、指の軽い筋力トレーニングとストレッチの指導
- 改善した育児動作、休憩の継続
- 負担の少ない育児グッズの使用
を行いました。
2ヶ月後
集中的な育児後の痛みも軽減してきたとのことでしたので、
- 手首、指の筋力トレーニングのバリエーションを増やす
- 育児の時間配分の調整、負担のかからない工夫
- 家族との協力体制について再確認
を行いました。
3ヶ月後
日常生活、育児において、痛みはほとんど気にならなくなりました。
- 再発予防のためのストレッチ、筋力トレーニング、育児動作工夫の継続
- 定期的なセルフチェックの推奨
を行いました。
考察

本症例は、産後のホルモンバランスの変化に加え、抱っこや授乳など育児による手首への負担増加が主な原因となり、右手親指・手首に腱鞘炎を発症したと考えられます。
初期の適切な処置(安静、冷却、固定)と、手技・鍼灸による施術、段階的なリハビリ、育児動作やセルフケアの見直し、家族のサポートにより、3ヶ月で日常生活や育児に支障がない状態まで回復しています。
特に、痛みの軽減だけでなく、筋肉の柔軟性向上や負担の少ない育児動作への改善指導、家族の協力体制の重要性を共有できたことが、回復と再発予防に繋がりました。
ポイント
産後の腱鞘炎は、ホルモンバランスの変化や育児動作(抱っこ、授乳など)による手首への負担が要因となりやすくなります。
初期は安静、冷却、固定などで負担を減らすことが重要です。
手技療法、鍼灸施術、運動療法は、痛みの軽減、炎症抑制、可動域改善に役立ちます。
育児動作の改善、負担の少ない育児グッズの使用、適度な休憩、家族のサポートは、回復と再発予防に不可欠です。
症状改善後も、セルフケア(ストレッチ、筋トレ)の継続が大切になります。
産後の手首や指の痛みでお困りの方は、我慢せず医療機関を受診し、適切な診断と施術、育児動作に関する指導、家族のサポート体制について相談するようにしてください。
お電話ありがとうございます、
こころ接骨鍼灸マッサージ院 沓谷本院でございます。