主訴
2021年5月に、「数週間前から右手の親指と手首が痛む」とご来院されました。
特に料理で包丁を使う時や洗濯物を絞る時、掃除機をかける時などに痛みが強くなるとのこと。朝や家事の後にはこわばりを感じ、最近は親指を動かすと「ピキッ」という音(軋轢音)がすることもあるとお悩みでした。
春の衣替えで普段より手を使う作業が増えたそうです。
症状が改善したらしたい事:
- スムーズに料理や洗濯などの家事をこなしたい
- 趣味の手芸を楽しみたい
- 痛みやこわばりのない日常生活を送りたい

初回施術

右手の親指、手首、前腕の筋肉に強い緊張と押した痛み(圧痛)、動きの制限を確認しました。
- 安静の重要性を説明
- 炎症を抑えるためのアイシング指導
- サポーターによる手首の固定指導
- 負担軽減のための代替家事動作の提案
- 周囲の筋肉の緊張を緩和する優しい手技療法
を行いました。
施術後、痛みがわずかに軽減したように感じるとのことでした。
2回目の施術(1日後)
痛みはまだあるものの、こわばりは少し軽減してきたとのことでしたので、
- 右手の親指、手首、前腕の筋肉の緊張を緩和する穏やかな手技療法
- 鍼灸施術(鎮痛、血行促進、炎症抑制目的)
- 自宅でできる簡単なストレッチと温熱療法(温湿布など)の指導
- 家事動作(持ち方、力の入れ方など)の見直し指導
を行いました。
3回目の施術(2日後)
家事中の痛みが少し軽減。軋轢音はまだ時々感じるとのことでしたので、
- 右手の親指、手首、前腕の筋肉の緊張を緩和する穏やかな手技療法
- 鍼灸施術(鎮痛、血行促進、炎症抑制目的)
- 手首や指の可動域を広げる軽い運動療法指導
- 家事の合間の適切な休憩の取り方指導
を行いました。
1ヶ月後
日常生活での痛みは軽減し、以前より楽に家事ができるように。
ただ、集中的な作業ではまだ痛みが出るとのことでしたので、
- 手首、指の軽い筋力トレーニングとストレッチの継続指導
- 改善した家事動作、休憩、負担の少ない道具の使用継続を推奨
を行いました。
2ヶ月後
趣味の手芸も以前より楽しめるように。
集中的な家事後の痛みも軽減してきたとのことでしたので、
- 手首、指の筋力トレーニングのバリエーションを増やす指導
- 家事の時間配分の調整、負担のかからない工夫の指導
を行いました。
3ヶ月後
日常生活、家事、趣味において、痛みはほとんど気にならなくなりました。
- 再発予防のためのストレッチ、筋力トレーニング、家事動作工夫の指導
- 定期的なセルフチェックの推奨
を行いました。
考察

本症例は、衣替えに伴う手作業の増加や日常的な家事動作の繰り返しが主な原因となり、右手親指・手首に腱鞘炎を発症したと考えられます。
初期の適切な処置(安静、冷却、固定)と、手技・鍼灸による施術、段階的なリハビリ、家事動作やセルフケアの見直しにより、3ヶ月で日常生活や趣味に支障がない状態まで回復されました。
特に、痛みの軽減だけでなく、筋肉の柔軟性向上や負担の少ない家事動作への改善指導が、再発予防を含めた回復に重要でした。
ポイント
主婦の方の腱鞘炎は、日常的な家事(料理、洗濯、掃除など)の繰り返しが要因となりやすいです。
初期は安静、冷却、固定などで負担を減らすことが重要です。
手技療法、鍼灸施術、運動療法は、痛みの軽減、炎症抑制、可動域改善に役立ちます。
家事動作の改善、負担の少ない道具の使用、適度な休憩は、再発予防に不可欠。
症状改善後も、セルフケア(ストレッチ、筋トレ)の継続が大切です。
手首や指の痛みでお困りの方は、我慢せず医療機関を受診し、適切な診断と施術、家事動作に関する指導を受けるようにしてください。
お電話ありがとうございます、
こころ接骨鍼灸マッサージ院 沓谷本院でございます。