40代男性 腱鞘炎の改善症例(長時間のPC操作、不適切な姿勢、運動不足)

主訴

2024年1月に、「数週間前から右手の親指と手首が痛む」とご来院されました。
特にキーボード入力やマウス操作、書類を持つ時に痛みが強くなるとのこと。朝や長時間の作業後にはこわばりを感じ、最近は親指を動かすと「ピキッ」という音(軋轢音)がすることもあるとお悩みでした。

納期前の残業でPC作業時間が大幅に増えていたそうです。

症状が改善したらしたい事:

  • 仕事で支障なくキーボード入力やマウス操作をしたい
  • 趣味のオンラインゲームを快適に楽しみたい
  • 痛みやこわばりのない穏やかな日常生活を送りたい
右手の親指と手首

初回施術

施術の写真

右手の親指、手首、前腕の筋肉に強い緊張と押した痛み(圧痛)、動きの制限を確認しました。

  1. 安静の重要性を説明
  2. 炎症を抑えるためのアイシング指導
  3. サポーターによる手首の固定
  4. 負担軽減のための代替作業方法(音声入力など)の提案
  5. 周囲の筋肉の緊張を緩和する優しい手技療法

を行いました。

施術後、痛みがわずかに軽減したように感じるとのことでした。

2回目の施術(1日後)

痛みはまだあるものの、こわばりは少し軽減してきたとのことでしたので、

  1. 右手の親指、手首、前腕の筋肉の緊張を緩和する手技療法
  2. 鍼灸施術(鎮痛、血行促進、炎症抑制目的)
  3. 自宅でできる簡単なストレッチと温熱療法(温湿布など)の指導
  4. 作業環境(キーボード、マウスの位置・高さなど)の見直し指導

を行いました。

3回目の施術(2日後)

キーボード入力時の痛みが少し軽減。軋轢音はまだ時々感じるとのことでしたので、

  1. 右手の親指、手首、前腕の筋肉の緊張を緩和する手技療法
  2. 鍼灸施術(鎮痛、血行促進、炎症抑制目的)
  3. 手首や指の可動域を広げる軽い運動療法指導
  4. 作業中の適切な休憩の取り方指導

を行いました。

1ヶ月後

日常生活での痛みは軽減し、キーボード入力も以前より楽に。
ただ、長時間の作業ではまだ痛みが出るとのことでしたので、

  1. 手首、指の軽い筋力トレーニングとストレッチの継続指導
  2. 改善した作業環境、休憩、負担の少ない作業方法の維持を推奨

を行いました。

2ヶ月後

趣味のオンラインゲームも以前より疲れにくく楽しめるように。
長時間のPC作業後の痛みも軽減してきたとのことでしたので、

  1. 手首、指の筋力トレーニングのバリエーションを増やす指導
  2. 作業時間と休憩時間のバランス調整、タイピングフォーム改善指導

を行いました。

3ヶ月後

日常生活、仕事、趣味において、痛みはほとんど気にならなくなりました。

  1. 再発予防のためのストレッチ、筋力トレーニング、作業方法工夫の継続指導
  2. 定期的なセルフチェックの推奨

を行いました。

考察

施術の写真

本症例は、長時間のPC作業(キーボード、マウス操作)、残業による疲労、趣味のゲームなどが重なり、右手親指・手首に腱鞘炎を発症したと考えられます。

初期の適切な処置(安静、冷却、固定)と、手技・鍼灸による施術、段階的なリハビリ、作業環境やセルフケアの見直しにより、3ヶ月で仕事と趣味を両立できる状態に回復されました。

特に、痛みの軽減だけでなく、筋肉の柔軟性向上や負担の少ない作業方法への改善指導が、再発予防を含めた回復に繋がっています。

ポイント

ITエンジニアなどの腱鞘炎は、長時間のPC操作、不適切な姿勢、運動不足などが要因となりやすいです。
適切な施術、リハビリ、作業環境の改善により、早期回復と業務効率の向上が期待できます。
急性期は安静、冷却、固定などで負担を減らすことが重要です。

リハビリでは、痛み軽減に加え、柔軟性向上、筋力強化、負担の少ない作業方法の習得など、職業特性に合わせたアプローチが必要。
再発予防には、作業中の休憩、正しい姿勢、適度な運動、負担の少ない操作方法などを日頃から心がけることが大切です。

手首や指の痛みでお困りの方は、我慢せず医療機関を受診し、適切な診断と施術、作業指導を受けるようにしてください。

こころ接骨鍼灸マッサージ院 沓谷本院