30代女性 耳鳴りの改善症例(長時間の演奏による首・肩・顎関節の緊張、精神的プレッシャー、不規則な生活習慣)

主訴

2022年6月に来院されました。
数ヶ月前から「キーン」という高い音が左耳で聞こえるとのこと。演奏中や静かな練習中に特に気になるそう。集中力が途切れやすく、音程や音色の微妙な違いが聞き取りにくくなっています。

また、慢性的な首や肩のこり、左側の顎関節の違和感にも悩んでいるとのことでした。

症状が改善したらしたい事:

  • 演奏に集中して、最高のパフォーマンスを発揮したい
  • 静かな環境で音楽鑑賞を楽しみたい
  • 首や肩のこりのない状態で、音楽活動に専念したい
左耳、首肩、左側の顎関節

初回施術

施術の写真

耳周囲、首、肩の筋肉の緊張、精神的な緊張を確認しましたので、

  1. 安静にするための指導
  2. 耳周囲の血行を促進するためのマッサージ
  3. 耳や顎関節周囲、首、肩の筋肉の緊張緩和、血行促進、精神安定が目的の鍼灸
  4. リラックス作用のある音楽療法
  5. 演奏前後のストレッチ、正しい姿勢の指導

を行いました。
施術後、耳鳴りの音が少し小さくなったように感じたとのことでした。

2回目の施術(1日後)

耳鳴りの音はまだ聞こえるものの、以前より気にならなくなったとのことでしたので、

  1. 耳や顎関節周囲、首、肩の筋肉の緊張を緩和する手技療法
  2. 耳や顎関節周囲、首、肩の筋肉の緊張緩和、血行促進、精神安定が目的の鍼灸
  3. 全身の歪みを調整する施術
  4. 演奏時の姿勢、楽器の持ち方に関するアドバイス

を行いました。

3回目の施術(2日後)

耳鳴りの音が小さくなる時間が増え、集中して練習できる時間が増えたとのことでしたので、

  1. 緊張緩和、血行促進、精神安定が目的の低周波治療
  2. 首や肩、顎関節のストレッチ
  3. 呼吸法、演奏時間と休憩時間のバランスに関する指導

を行いました。

1か月後

耳鳴りが気にならない時間が増え、演奏への集中力も向上してきたとのことでしたので、

  1. 軽い運動(ウォーキング、ヨガ)
  2. トムソンベッドによる全身の骨格矯正
  3. 耳や顎関節周囲、首、肩の筋力トレーニング(軽い体操)とリラックス法の指導
  4. 演奏環境の改善、ストレス軽減法の提案

を行いました。

2か月後

音楽鑑賞も以前よりクリアな音で楽しめるようになったとのことでしたので、

  1. 運動療法(ウォーキング、軽いジョギング、ヨガ)
  2. 耳や顎関節周囲、首、肩の筋力トレーニングのバリエーションを増やす
  3. 演奏前後のウォーミングアップ、クールダウンの指導

を行いました。

3か月後

耳鳴りはほとんど気にならず、最高のパフォーマンスを発揮できるようになり、音楽活動も快適に楽しめるようになったとのことです。
再発は認められませんでした。
運動療法、筋力トレーニング、セルフケア、ストレスマネジメント、演奏時の工夫を継続しています。

考察

施術の写真

この症例では、長時間の演奏による首・肩・顎関節の緊張、精神的プレッシャー、不規則な生活習慣が複合的に作用し耳鳴りを引き起こしたと考えられます。

急性期の適切な処置、リハビリ、セルフケア、生活習慣・演奏環境の改善、ストレスマネジメントにより、3ヶ月で音楽活動に支障がない程度まで回復しました。

発症初期の安静、鎮痛、血行促進、精神安定が早期回復に繋がっています。

リハビリでは、関連筋肉の緊張緩和、血行促進、自律神経調整、ストレス軽減、演奏時の負担軽減に重点を置き、再発予防のセルフケア指導、演奏時の工夫、ストレスマネジメント指導により、長期的な音楽活動の維持が可能となりました。

ポイント

音楽家の耳鳴りは、楽器演奏の身体的負担、精神的プレッシャー、音量などにより発症しやすいです。
適切な施術とリハビリ、生活習慣・演奏環境の改善、ストレスマネジメントにより、早期回復と音楽活動の質向上が期待できるでしょう。
急性期は安静、血行促進、精神的ケアが重要です。

リハビリでは、関連筋肉の緊張緩和、自律神経調整、ストレス対処、演奏時の負担軽減など、職業特性に合わせたプログラムが必要になります。
再発予防には、演奏前後のケア、適切な休憩、適度な運動、ストレスを溜めない工夫、聴覚保護が大切です。

音楽家で耳鳴りにお困りの方は、専門機関を受診し、適切な診断と施術、生活・演奏指導、ストレスマネジメント指導を受けるにしてください。

こころ接骨鍼灸マッサージ院 沓谷本院