50歳男性 坐骨神経痛の改善症例(長時間の運転、荷物の積み下ろし、不規則な生活習慣)

主訴

2023年5月に、数か月前からお尻から足にかけて痛みやしびれを感じる、と来院されました。

  • 長時間の運転中、特に振動の多い悪路走行時に痛みが増す
  • 荷物の積み下ろし作業時に腰に激痛が走ることがある
  • 運転姿勢が悪く、長時間同じ姿勢を続けるため、腰や足が常に重だるい
  • 不規則な勤務時間で睡眠不足、食生活も偏りがち
  • 病院で坐骨神経痛と診断された

目標は、安全に仕事に復帰すること、趣味の釣りを再開すること、家族と旅行に行くことでした。

初回施術

施術の写真

腰から骨盤、臀部にかけての筋肉の緊張と姿勢の歪みを確認しましたので、

  1. 患部を安静にするための処置
  2. 筋肉の緊張を緩和するための手技療法
  3. 腰・お尻・もも裏の筋肉の緊張緩和、鎮痛作用、血行促進、自律神経の調整を目的とした鍼施術、温灸
  4. 血行を促進する温熱療法
  5. 痛みの少ない姿勢での安静指導

を行いました。

施術後、痛みが少し和らいだとのことです。

2回目の施術(2日後)

筋肉の緊張が少し和らぎ、痛みが軽減してきたことを確認しましたので、

  1. 骨盤周囲の筋肉の緊張を緩和する手技療法
  2. 腰・お尻・もも裏の筋肉の緊張緩和、鎮痛作用、血行促進、自律神経の調整を目的とした鍼施術、温灸
  3. 骨盤の可動域を広げるためのストレッチ指導
  4. 運転中の姿勢、荷物の積み下ろし動作の改善指導

を行いました。

3回目の施術(1週間後)

痛みがさらに軽減し、日常生活での動作が少し楽になったことを確認しましたので、

  1. 全身のバランスを整えるための骨盤、脊椎の調整
  2. 腰・お尻・もも裏の筋肉の緊張緩和、鎮痛作用、血行促進、自律神経の調整を目的とした鍼施術、温灸
  3. 腰から臀部、足にかけてのストレッチ指導
  4. 腰周囲の筋力トレーニング(自宅でできる簡単な運動)

を行いました。

1か月後

日常生活での痛みやしびれは軽減し、軽い作業ができるようになったことを確認しましたので、

  1. 運動療法(ウォーキング、水中ウォーキング)
  2. 高周波を使い、インナーマッスルを鍛えるトレーニング(EMS)
  3. 強度を上げた腰周囲の筋力トレーニング
  4. 運転環境の見直し、シートやクッションの調整、休憩時間のストレッチ指導

を行いました。

2か月後

釣りの準備ができる程度に痛みが軽減したことを確認しましたので、

  1. 運動療法(釣り動作、軽い体操)
  2. バリエーションを増やした腰周囲の筋力トレーニング
  3. 釣り動作の改善指導
  4. 睡眠・食生活の改善指導

を行いました。

3か月後

仕事に復帰され、釣りを以前のように楽しめるようになり、ご家族と旅行にも行けるようになりました。
痛みやしびれの再発は認められませんでした。
運動療法、筋力トレーニング、セルフケアを継続中です。

考察

施術の写真

今回の症例は、長時間の運転による腰への過剰な負担、不規則な生活習慣、姿勢の悪さが複合的に影響し、坐骨神経痛を発症したと考えられます。
急性期の適切な処置、リハビリ、セルフケア、生活習慣改善により、3か月で仕事への復帰と趣味の再開を達成しました。
発症初期の筋肉の緊張緩和、血行促進、姿勢改善が早期回復に貢献したと考えられます。

リハビリでは、痛みの軽減だけでなく、可動域改善、筋力強化、運転動作・荷物の積み下ろし動作・生活習慣の改善にも重点を置いたプログラムを提供しました。

再発予防のためのセルフケア指導により、長期的な健康維持が可能になったと考えられます。

ポイント

トラック運転手の方の坐骨神経痛は、長時間の運転、荷物の積み下ろし、不規則な生活習慣などが影響しやすいです。
適切な施術とリハビリにより、早期回復と仕事復帰が期待できます。
急性期には、安静、鎮痛、炎症の抑制が重要です。

リハビリでは、痛みの軽減だけでなく、可動域改善、筋力強化、運転動作・荷物の積み下ろし動作・生活習慣の改善など、仕事内容に合わせたプログラムが必要になります。
再発を防ぐためには、日頃から腰に負担のかからない運転姿勢、荷物の持ち方、適度な運動、規則正しい生活習慣、セルフケアを心がけることが大切です。

もし坐骨神経痛でお困りのトラック運転手の方がいらっしゃいましたら、医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けてみてください。

こころ接骨鍼灸マッサージ院 沓谷本院