主訴
2021年5月に、「2週間前から右肩から腕にかけて痛みと痺れがある」とご来院されました。
特に首を後ろや右に傾けると症状が強くなり、手指の細かい作業がしづらく、握力も落ちたように感じるとのこと。
現在はデスクワークが中心で、長時間同じ姿勢で作業することが多いそうです。最近、仕事が忙しく残業が増えていました。
既往歴:
ストレートネックと診断されたことがあるとのことでした。
症状が改善したらしたい事:
- 肩から腕の痛み・痺れをなくし仕事に集中したい
- 手指の細かい作業をスムーズに行いたい
- 首の動きを良くし、日常生活の不快感をなくしたい
- 再発予防のための姿勢やストレッチを知りたい

初回施術(発症から2週間)

右の首から肩、腕にかけて押した痛みと関連する痛み(放散痛)を確認。
首を後ろや右に動かすと症状が悪化しました。
神経症状を示唆する所見も一部見られ、首の動きも制限されていました。
- 安静の重要性を説明
- 必要に応じ頚椎カラーによる安静固定の提案
- デスクワーク時の姿勢指導、休憩の重要性を説明
- 首、肩周りの筋肉の緊張を緩和する優しい手技療法
を行いました。
施術後、首や肩の緊張が少し和らいだように感じるとのことでした。
2回目の施術(2日後)
痛みや痺れはまだあるものの、少し軽減してきたとのことでしたので、
- 頚椎カラーの使用状況などを確認
- 首、肩、背中の筋肉の緊張を緩める穏やかな手技療法
- 鍼灸施術(局所・遠隔のツボを使用。鎮痛、筋弛緩、神経症状緩和目的)
- 自宅でできる簡単なストレッチと温熱療法(蒸しタオルなど)の指導
を行いました。
3回目の施術(4日後)
痛みや痺れがさらに軽減し、手指の痺れを感じる頻度が減ってきたとのことでしたので、
- 首、肩、背中の筋肉の緊張を緩める穏やかな手技療法
- 鍼灸施術(前回同様の方針で実施)
- 首の可動域を広げる軽い運動療法の指導
- 正しい座り方やPCモニターの高さなど、作業環境の見直し提案
を行いました。
1週間後
日常生活での痛みが軽減し、作業中の痺れも減ってきたとのことでしたので、
- 首、肩、背中への手技療法に加え、肩甲骨周りの動きを改善する手技療法
- 鍼灸施術(症状に合わせ実施)
- 首、肩周りの軽い筋力トレーニングの指導
- ストレッチ、運動療法の継続指導
を行いました。
2週間後
肩から腕の痛み・痺れはかなり軽減し、手指の作業もスムーズに。首の動きも改善してきました。
- 首、肩、背中への手技療法に加え、全身のバランス調整
- 鍼灸施術(症状に合わせ実施)
- デスクワーク中の正しい姿勢、こまめな休憩とストレッチの重要性を再確認
を行いました。
1ヶ月後
肩から腕の痛み・痺れはほとんどなくなり、日常生活、仕事ともに支障ない状態に。
首の動きもほぼ正常になりました。
- 再発予防のための姿勢指導、ストレッチ、軽い筋力トレーニングの継続指導
- 定期的なセルフチェックの推奨
を行いました。
考察

本症例は、長時間のデスクワークによる不良姿勢と頸椎への負担が主な原因となり、頚椎ヘルニアを発症したと考えられます。
ストレートネックの既往も影響した可能性が高いです。
初期の安静と姿勢指導、早期からの鍼灸・手技による施術、段階的な運動療法により、比較的早期に症状が改善しました。
施術では、首・肩周りの緊張緩和に加え、肩甲骨の動きや全身バランスも考慮しています。
姿勢指導、作業環境の見直し、セルフケア(ストレッチ、筋トレ)の実践が、症状改善と再発予防に重要な役割を果たしました。
ポイント
頚椎ヘルニアは、デスクワークなどでの不良姿勢や長時間同じ姿勢が大きな要因となります。
初期は安静にし、姿勢を改善することが重要です。
鍼灸施術は、痛み・痺れ・筋肉の緊張緩和に役立ち、手技療法は、首・肩・背中の筋肉を緩め、関節の動きを改善する作用が期待できます。
また、段階的な運動療法(ストレッチ、筋トレ)は、可動域改善と再発予防に不可欠。
デスクワーク中の姿勢、作業環境の見直し、こまめな休憩も非常に重要です。
首の痛みや手の痺れでお困りの方は、自己判断せず、早期に専門機関(整骨院、鍼灸院など)で適切な診断と施術、生活指導を受けるようにしましょう。
お電話ありがとうございます、
こころ接骨鍼灸マッサージ院 沓谷本院でございます。