主訴
2024年1月に、「数週間前から右手の親指と手首が痛む」とご来院されました。
特にキーボード入力やマウス操作、書類を持つ時に痛みが強くなるとのこと。朝や長時間の作業後にはこわばりを感じ、最近は親指を動かすと「ピキッ」という音(軋轢音)がすることもあるとお悩みでした。
納期前の残業でPC作業時間が大幅に増えていたそうです。
症状が改善したらしたい事:
- 仕事で支障なくキーボード入力やマウス操作をしたい
- 趣味のオンラインゲームを快適に楽しみたい
- 痛みやこわばりのない穏やかな日常生活を送りたい

初回施術

右手の親指、手首、前腕の筋肉に強い緊張と押した痛み(圧痛)、動きの制限を確認しました。
- 安静の重要性を説明
- 炎症を抑えるためのアイシング指導
- サポーターによる手首の固定
- 負担軽減のための代替作業方法(音声入力など)の提案
- 周囲の筋肉の緊張を緩和する優しい手技療法
を行いました。
施術後、痛みがわずかに軽減したように感じるとのことでした。
2回目の施術(1日後)
痛みはまだあるものの、こわばりは少し軽減してきたとのことでしたので、
- 右手の親指、手首、前腕の筋肉の緊張を緩和する手技療法
- 鍼灸施術(鎮痛、血行促進、炎症抑制目的)
- 自宅でできる簡単なストレッチと温熱療法(温湿布など)の指導
- 作業環境(キーボード、マウスの位置・高さなど)の見直し指導
を行いました。
3回目の施術(2日後)
キーボード入力時の痛みが少し軽減。軋轢音はまだ時々感じるとのことでしたので、
- 右手の親指、手首、前腕の筋肉の緊張を緩和する手技療法
- 鍼灸施術(鎮痛、血行促進、炎症抑制目的)
- 手首や指の可動域を広げる軽い運動療法指導
- 作業中の適切な休憩の取り方指導
を行いました。
1ヶ月後
日常生活での痛みは軽減し、キーボード入力も以前より楽に。
ただ、長時間の作業ではまだ痛みが出るとのことでしたので、
- 手首、指の軽い筋力トレーニングとストレッチの継続指導
- 改善した作業環境、休憩、負担の少ない作業方法の維持を推奨
を行いました。
2ヶ月後
趣味のオンラインゲームも以前より疲れにくく楽しめるように。
長時間のPC作業後の痛みも軽減してきたとのことでしたので、
- 手首、指の筋力トレーニングのバリエーションを増やす指導
- 作業時間と休憩時間のバランス調整、タイピングフォーム改善指導
を行いました。
3ヶ月後
日常生活、仕事、趣味において、痛みはほとんど気にならなくなりました。
- 再発予防のためのストレッチ、筋力トレーニング、作業方法工夫の継続指導
- 定期的なセルフチェックの推奨
を行いました。
考察

本症例は、長時間のPC作業(キーボード、マウス操作)、残業による疲労、趣味のゲームなどが重なり、右手親指・手首に腱鞘炎を発症したと考えられます。
初期の適切な処置(安静、冷却、固定)と、手技・鍼灸による施術、段階的なリハビリ、作業環境やセルフケアの見直しにより、3ヶ月で仕事と趣味を両立できる状態に回復されました。
特に、痛みの軽減だけでなく、筋肉の柔軟性向上や負担の少ない作業方法への改善指導が、再発予防を含めた回復に繋がっています。
ポイント
ITエンジニアなどの腱鞘炎は、長時間のPC操作、不適切な姿勢、運動不足などが要因となりやすいです。
適切な施術、リハビリ、作業環境の改善により、早期回復と業務効率の向上が期待できます。
急性期は安静、冷却、固定などで負担を減らすことが重要です。
リハビリでは、痛み軽減に加え、柔軟性向上、筋力強化、負担の少ない作業方法の習得など、職業特性に合わせたアプローチが必要。
再発予防には、作業中の休憩、正しい姿勢、適度な運動、負担の少ない操作方法などを日頃から心がけることが大切です。
手首や指の痛みでお困りの方は、我慢せず医療機関を受診し、適切な診断と施術、作業指導を受けるようにしてください。
お電話ありがとうございます、
こころ接骨鍼灸マッサージ院 沓谷本院でございます。