53歳女性 五十肩の改善症例(加齢に伴う肩関節周囲の炎症と拘縮、家事や育児による負担)

主訴

2022年9月、数か月前から肩の痛みを感じると来院されました。

  • 夜間に肩の痛みで目が覚めることがある
  • 家事や育児で腕を上げる動作や、背中に手を回す動作が困難
  • 整形外科で五十肩と診断された

目標は、家事や育児をスムーズに行うこと、趣味のガーデニングを再開すること、そして友達と旅行に行くことでした。

初回施術

施術の写真

肩関節周囲の炎症と拘縮を確認しましたので、

  1. 患部を安静にするための処置
  2. 鎮痛作用のある手技療法
  3. 首・肩・腕の筋肉の緊張緩和、鎮痛、血行促進、自律神経の調整を目的とした鍼施術、温灸
  4. 血行を促進する温熱療法
  5. 包帯による固定
  6. 痛みの少ない姿勢での安静指導

を行いました。

施術後、痛みが少し和らいだとのことです。

2回目の施術(2日後)

炎症が落ち着き、痛みが軽減してきたことを確認しましたので、

  1. 肩関節周囲の筋肉の緊張を緩和する手技療法
  2. 首・肩・腕の筋肉の緊張緩和、鎮痛、血行促進が目的の電気鍼
  3. 肩関節の可動域を広げるストレッチの指導
  4. 家事や育児中の動作改善の指導(洗濯物を干す動作、子どもを抱き上げる動作など)

を行いました。

3回目の施術(3日後)

痛みがさらに軽減し、夜間の痛みも減ってきたことを確認しましたので、

  1. 肩甲骨周囲の筋肉の緊張を緩和する手技療法
  2. 首・肩・腕の筋肉の緊張緩和、鎮痛、血行促進が目的の電気鍼
  3. 肩甲骨の可動域を広げるストレッチの指導
  4. 肩関節周囲の筋力トレーニング(自宅でできる簡単な運動)

を行いました。

1か月後

日常生活での動作が楽になり、仕事中の動作もスムーズになったことを確認しましたので、

  1. 運動療法(ウォーキング、水中ウォーキング)
  2. 猫背矯正
  3. 強度を上げた肩関節周囲の筋力トレーニング
  4. 肩関節を温める温熱療法

を行いました。

2か月後

ガーデニングの軽い作業ができる程度に痛みが軽減したことを確認しましたので、

  1. 運動療法(ガーデニング動作、軽い体操)
  2. 強度を上げた猫背矯正
  3. バリエーションを増やした肩関節周囲の筋力トレーニング
  4. ガーデニングの動作改善の指導

を行いました。

3か月後

ガーデニングを以前のように楽しめるようになり、お友達と旅行にも行けるようになりました。
肩の痛みの再発は認められませんでした。
運動療法、筋力トレーニング、セルフケアを継続中です。

考察

施術の写真

今回の症例は、加齢に伴う肩関節周囲の炎症と拘縮、家事や育児による負担が重なり、五十肩を発症したと考えられます。

急性期の適切な処置、リハビリ、セルフケアにより、3か月で日常生活動作が改善し趣味も楽しめるまでに回復しました。
発症初期の安静、鎮痛、炎症抑制が早期回復に大きく貢献したと考えています。

リハビリでは、痛みの軽減だけでなく、可動域改善、筋力強化、家事・育児・趣味の動作改善にも重点を置いたプログラムを提供しました。

再発予防のためのセルフケア指導により、長期的な健康維持が可能となりました。

ポイント

五十肩は、加齢に伴う肩関節周囲の炎症と拘縮が原因となることが多いです。
適切な施術とリハビリにより、早期回復と日常生活動作の改善、趣味への復帰が期待できます。
急性期には、安静、鎮痛、炎症の抑制が特に大切です。

リハビリでは、痛みの軽減だけでなく、可動域改善、筋力強化、家事・育児・趣味の動作改善など、生活習慣に合わせたプログラムが重要となります。

再発を防ぐためには、日頃から肩に負担のかからない生活習慣、適度な運動、セルフケアを心がけることが大切です。

もし五十肩でお困りの際は、医療機関を受診し、的確な診断と治療を受けてみてください。

こころ接骨鍼灸マッサージ院 沓谷本院