主訴
2023年11月、朝起きた時に首に激しい痛みを感じ、首を全く動かせない状態で来院されました。
首から肩にかけての筋肉は硬く、ズキズキと痛みます。
加齢に伴い、首や肩の筋力が低下していました。
前日、孫の世話で長時間抱っこし、疲れていました。
最近寝つきが悪く、睡眠時間も短かったです。
目標は、孫の世話をすること、趣味の編み物を再び楽しむこと、そして快適な睡眠を取り戻すことでした。

初回施術

首から肩にかけての筋肉の緊張と炎症を優しく確認し、患部の安静を最優先に処置を行いました。(湿布、安静保持)
痛みを和らげるために、優しい手技療法(軽擦法、軽圧迫法)を実施。
湿布と包帯による患部の固定と圧迫、痛みを最小限に抑える安静時の姿勢指導(首の固定、枕の高さ調整)、さらには首・肩・背中のツボと皮膚への優しい接触鍼(高齢者向け鍼灸)、深部温熱作用のある温灸などを行い、筋肉の緊張緩和、鎮痛、血行促進を図りました。
2回目の施術(翌日)
炎症が落ち着き、痛みが軽減していることを確認しましたので、
- 首から肩にかけての筋肉の緊張を、さらに緩和する手技療法(軽擦法、軽圧迫法、優しいストレッチ)
- 首の可動域を広げるための優しいストレッチ指導(前後屈、側屈、回旋)
- 日常生活での動作改善指導(首に負担がかからない姿勢、動作)
- 首・肩・背中の筋肉の緊張緩和と血行促進、筋力向上を目的とした優しい鍼施術、皮膚への優しい電気刺激、温灸
を行いました。
3回目の施術(3日後)
痛みがさらに軽減し、日常生活動作がスムーズになったことを確認しましたので、
- 首から肩にかけての筋肉の緊張を緩和する手技療法(優しいストレッチ、筋膜リリース)
- 首の可動域を広げるための優しいストレッチ指導(抵抗運動、タオルストレッチ)
- 睡眠環境改善指導(枕、マットレスの選び方、寝姿勢)
- 首・肩・背中の筋肉の柔軟性向上、全身のバランス調整、睡眠改善を目的とした優しい鍼施術、低周波治療器による優しい筋肉刺激、灸頭鍼による温熱刺激
を行いました。
1週間後
痛みはほぼ消失し、日常生活に支障がないまでに回復しましたので、
- 首から肩にかけての筋肉の柔軟性向上と筋力強化を目的とした運動療法(軽いチューブトレーニング、軽い体操)
- 睡眠環境の改善、睡眠導入のためのリラックス法指導(呼吸法、瞑想)
- 猫背矯正
- メンテナンスを目的とした鍼灸とセルフケア指導(ツボ押し、温灸)
を行いました。
2週間後
編み物を楽しめるまでに回復しましたので、運動療法(編み物動作、全身運動)を開始しました。
睡眠環境の改善、リラックス法を継続しつつ、合わせて強度を上げた猫背矯正、運動療法と併用した優しい鍼灸施術、体調管理指導も並行して行いました。
考察

今回の症例は、加齢に伴う筋力低下、睡眠中の不自然な姿勢、疲労の蓄積が複合的に影響し、寝違えを発症したと考えられます。
急性期の適切な処置、鍼灸施術、リハビリ、セルフケア、生活習慣改善により、早期回復と日常生活や趣味への復帰が実現しました。
発症初期の安静、鎮痛、炎症抑制、そして血行促進が、早期回復に大きく貢献しました。
リハビリでは、痛みの軽減だけでなく、可動域改善、筋力強化、睡眠環境改善、疲労回復にも重点を置いたプログラムを提供しました。
再発予防のためのセルフケア指導により、長期的な健康維持が可能となりました。
ポイント
高齢者の寝違えは、加齢に伴う筋力低下、睡眠時の姿勢、疲労、持病など、様々な要因が複雑に絡み合って起こりやすいです。
適切な施術、リハビリ、生活習慣の見直しを組み合わせることで、早期の回復と日常生活の改善が期待できます。
急な痛みを感じる時期には、安静、鎮痛、炎症の抑制、血行の促進が特に大切です。
リハビリでは、痛みを和らげるだけでなく、首の動きをスムーズにしたり、筋力を高めたり、睡眠環境を整えたり、疲労を回復したりするなど、生活習慣や持病に合わせたプログラムが重要となります。
再発を防ぐためには、日頃から首に負担のかからない生活を心がけ、適度な運動を取り入れ、睡眠環境を整え、ご自身でケアを行うことが大切です。
もし寝違えの症状でお困りの高齢者の方がいらっしゃいましたら、医療機関を受診し、的確な診断と治療、生活習慣改善の指導を受けてみてください。
お電話ありがとうございます、
こころ接骨鍼灸マッサージ院 沓谷本院でございます。